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平成に入り1999年に大野芳裕先生の報告、時をほぼ同じくして堀田修先生のIgA腎症に対する扁摘パルス

平成に入り神戸大学耳鼻咽喉科、京都大学耳鼻咽喉科、東邦大学池尻病院耳鼻咽喉科から慢性上咽頭炎の発表は散見されますがその後もEATは普及はしませんでした。

1999年に大野芳裕先生(福生病院耳鼻咽喉科)が初めて内視鏡を用いた慢性上咽頭炎の検討を報告されました。
大野芳裕先生は慶應義塾大学耳鼻咽喉科の一門ですが、関東で以前から上咽頭擦過治療を行っている開業耳鼻科医の何人かは慶應義塾大学耳鼻咽喉科出身の先生です。

IgA腎症に対する扁摘パルス療法(両側口蓋扁桃摘出術+ステロイドパルス療法)を確立した腎臓内科医の堀田修先生(仙台社会保険病院腎センター)は、時を同じくしてIgA腎症患者に対して耳鼻咽喉科医に扁摘(両側口蓋扁桃摘出術)を勧めるようになります。
その後、扁摘パルスを行っても血尿が持続する症例、一度寛解するも血尿が再燃する症例は、口蓋扁桃以外の病巣疾患があると考えるようになりました。その1つが慢性上咽頭炎です。

しかし2000年に入っても約10年間は、慢性上咽頭炎が再興するまでには至りませんでした。